2026年3月、東海大学山形高等学校にて「データサイエンス・AI特別講座」を2日間にわたり実施しました。
今回の出張授業は「AIを授業の現場でどのように活用できるのか」について、具体的な実践を通じてその可能性を確かめられた、手ごたえの大きなものとなりました。
1日目:自分で診断サイトを作ってみよう!
1日目は「データの収集」をテーマにスタート。
まずはKahoot※1を使ったクイズでアイスブレイクをし、生徒たちのAIの使い方を教えてもらい、和やかな雰囲気に。
つづいてWebアプリ版『じぶん診断』(質問項目に回答することで、さまざまに分類された性格タイプのどれに自分が当てはまるかを診断するアプリ)を通じて自分の学習タイプを診断する体験をしてもらい、これから作るアプリのイメージを膨らませました。

つづいて、実際にGeminiを使ってデータ収集用のWebアプリ開発に取り組みました。
どんなアプリを作りたいのか、AIに向けて詳細な指示(プロンプト)を出すことで、自動コーディングから実装手続きの教授まで行ってくれます。その結果を受けてフィードバックを伝える繰り返しにより、AIが随時こちらの目的に適うアウトプットを提供してくれます。
最終的にGitHub※2にHTMLをアップして、『あなたにおすすめの勉強方法』を提案するWebアプリを完成。GAS※3を用いて、利用者が診断に答えると自動でスプレッドシートに回答結果が収集される仕組みまで作りました。
アプリの作成から実装までをAIを活用し自分の手で成し遂げたことで、生徒たちも達成感を得ているようでした。

2日目:アイスクリーム売上から「なぜ?」をデータで探る
2日目は「集まったデータを整理して分析する」ことをテーマとしました。まずはAIを使って自分で効率よく勉強する方法を学びます。
NotebookLMというツールは情報を渡すと、自分専用のわかりやすい教科書とクイズまで作ってくれる優れもの。単に回答をくれるだけでなく、学習方法そのものを工夫して考える力をつけることができます。


今回はGeminiとNotebookLMを活用して情報Ⅱの内容である統計分析に取り組みました。
AIとの繰り返しの質疑応答により、決定係数、相関係数、回帰分析といった概念を理解したところで、課題として「架空のアイスクリーム屋の売り上げと気温との関係」を分析していきます。
まずスプレッドシート上でトレンドラインを作成し、決定係数を導出。そのうえでここまで学んだ内容から何が読み取れるのかを検証します。さらに内容を発展させて、別の売上データを作成し、ふたつのデータ郡に有意差があるかを分析しました。
こうして、単に教科書的な知識ではなく、「アイスクリームが売れる理由をデータで考える」という身近な題材からデータサイエンスを扱う術を理解してもらいました。
2日間を通して:高校授業におけるAI活用の可能性

2日間を通して、生徒たちはAIに考えを丸投げするのではなく、AIを上手に使いながらアプリを作ったり、統計の考え方を身につけたり、データを整理して意味を見つけたり、資料まで作ったりと、幅広く学んでくれました。
Webアプリ開発の場面ではAIの説明をしっかり読んで進め、自分のアイデアを加えて個性的な作品に仕上げる生徒もたくさん。生徒同士で「ここどうやるの?」「こうしたらいいよ!」と助け合い、クラス全体が一つになって学び合う姿が本当に素敵でした。情報科や数学科の先生方にもご参加いただき、最先端のAI活用に触れていただけたことも嬉しく思います。
DXハイスクール事業の一環として、2025年度の大事なテーマであるデータサイエンスについて、実践的な授業を行うことができました。
これからも、現場の声に耳を傾け、子どもたちがAIやデータを「自分のもの」にしていける学びの場を、一緒に作り続けていきたいと思います。
※1 Kahootはゲーム感覚でクイズを楽しめるオンライン学習プラットフォーム。
※2 GitHubは世界で最も使われているプログラミングのコード共有・管理サービス。
※3 GASはGoogle Apps Scriptの略称で、Googleが提供している無料のスクリプト(プログラミング)ツール。
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