藤村女子中学・高等学校にて学びラボが共同展開している「ふじらぼテックスクール」。
このたび、11月からつづいた仲条先生による先端テクノロジーにまつわる授業の締めくくりとなる、アプリ開発の授業が実施されました。

アプリ開発と聞くととてもハードルの高いことのように思えますが、未経験の中学生にもできるものなのでしょうか。

そんな疑問を払拭する授業を、プロのエンジニアとして実際のアプリ開発の現場にも携わっている仲条先生から、初めて本格的にプログラミングにチャレンジする生徒たちに届けていただきました。

💡前回のIoTの授業についての記事はこちら

Swift Playgroundsで初めてのiOSプログラミングに挑戦!

今回はSwift Playgroundsというプログラミング用のアプリを使って、iOS(iPadやmacなどを動かしているOS)で動作するアプリを作っていきます。

アプリ開発、と聞くと何やら難しいコードが画面いっぱいに書かれていてよくわからないというイメージがある方もいるでしょう。
たしかに複雑なプログラムを組むことは初心者には難しいですが、たとえば「画面にテキストを表示する」や、「画面上のアイコンの色を変える」といった簡単なコードを書くことはさほど難しいことではありません。

先生からアプリ開発という授業内容を聞いた生徒たちも、はじめは上手く想像が出来ていない様子でしたが、「80歳を超えてからアプリ開発を始めて大ヒットアプリを生み出した人」の話を聞くと興味津々。
期待感を抱きつつ、さっそく実習に入っていきます。

上の画像がSwift Playgroundの操作画面です。
画面上部が実際にプレイするときのプレイ画面、下部がチュートリアルの指示と、コードを書いていく部分になります。

このチュートリアルにしたがってコードを入力・実行すると、画面上のキャラクターを動かしたり、スイッチを切り替えたりでき、初心者でもゲーム感覚で簡単にプログラムを動かせるのです。

まずは習うより慣れろ、ということで、先生の実演の後につづけて、生徒たちにコードをそのまま移して書いてもらいます。

moveForward()
collectGem()

上の指示はキャラクターを前に進ませる→アイテムを取得するといった内容です。
基礎的な英単語の意味を理解していれば、なんとなくコードの意味も想像できるのではないでしょうか。

実行すると、そのまま画面上でキャラクターが指示通りの動作を行いました!
初めて書いたコードがちゃんと実行されたのを目にして、生徒たちも手ごたえを感じている様子です。
「自分でできた!」という実感は、どんなに小さなものでも、そこから継続的な学びを引き出すきっかけになるでしょう。

プログラミングから育まれる自発的な学習プロセス

そして回を追うごとに授業はより発展的な内容に。
繰り返し同じプログラムを実行するfor文、「もし○○だったら××する」という条件によって異なる処理を行うif文にもチャレンジしていきます。

もちろん、思い通りにプログラムが動作しないケースも出てきます。
そんなときは原因を自分の頭で考え、どこに間違いがあるのかをトライ&エラーを繰り返して検討しなければなりません。
自ら信頼できる情報源を探すスキルも必要になってきます。

これはプログラミングだけでなく、どんな勉強においても、より良い知識の定着や調べる力を養うために大事なプロセス。
この過程を通して、論理的な思考力や現実の課題に対する解決力を培うことも、この授業の狙いです。

クリエイティビティを養うアプリ開発の可能性

複数回を通して行われたアプリ開発授業。
最終的には1年生から3年生までの全学年を通して、さまざまな成果物を作り上げることが出来ました。

その中で「プログラムでピカソ風のグラフィックを描画する」や「チームでのプログラミング」など、創造性を取り入れつつ、実社会の仕事の現場でのように共働的な実践も行いました。

プログラミングという営みには、単に一人でコンピュータと向き合うというだけでなく、このようにクリエイティビティや協調性を育む側面があります。
そしてそれらは今後社会に出て、他者と共働していく上で重要なものです。

この大事な力を育む土台としても、この授業での経験が活きていくことと思います。

今回で11月から続いた仲条先生の授業は終わり、次回からは新たなツール「Scratch」を使用したプログラミングの授業が始まります。
2024年度のふじらぼテックスクールでは最後となる次回の授業、ぜひご報告を楽しみにお待ちください!


藤村女子中学・高等学校ではさまざまな先進的な取り組みを展開されています。
同校の取り組みについては、公式のHPで詳しく知ることができます。以下のリンクよりご覧ください。
>>藤村女子中学・高等学校HP

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日頃よりオンライン・オフラインを問わず、現役クリエイターによる実践的な教育プログラムを展開しています。
また、社会を生き抜く力に主眼を置いた小中学生向けのオンラインの習い事「そらいろぱれっと」を運営し、未来を担う次世代の教育に力を注いでいます。

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主体的に愉しみ、学び、創造する。それがこの変化の激しい社会において、未来を切り拓くために大切なことであると信じて、私たちは今日も活動しています。