藤村女子中学・高等学校との提携による「ふじらぼテックスクール」プロジェクト。
11月からは仲条先生が講師をご担当され、AIやIoTといった先端テクノロジー分野に関する授業を行っています。
AI→IoT→アプリ開発の3段構成で展開する予定の仲条先生の講義について、今回は2つ目となるIoTの授業の様子をお届けしたいと思います。
💡前回のAIの授業についての記事はこちら
IoTって何のこと?身近なモノから考えよう

みなさんはIoT(アイオーティー)という言葉をご存知でしょうか?
昨今よく耳にするようになった言葉ではありますが、正確には何を意味するのかご存じない方もいらっしゃるのではないかと思います。
IoTはInternet of Thingsの頭文字を取った略語で、直訳すると『モノのインターネット』という意味になります。
すなわち、身の回りのさまざまなモノ(家電やスマートフォン、車など)をインターネットと繋ぐ技術のことです。
例えば、スマートフォンからインターネットを介して開閉できる電子錠や、身に着けることで身体の健康状態をデータ化できるウェアラブルデバイスといったものがそれに当たります。
さて、このIoTですが、今後の社会においてとても重要なテクノロジーになっていくと言われています。
総務省の発表によると、なんと2020年代には約450億台のIoT機器がインターネットに接続される1と予測されており、今後ますます私たちの暮らしと切り離せないものになるのは間違いありません。
すでに日常のいたるところに存在するIoT技術にどのように触れていくのか、あらためて考えて見ることはとても大事です。
そこで今回はIoTについて、ご自身もIT業界の第一線で活躍される仲条先生から、SchooMy(スクーミー)という魅力的なツールの実践を交えた講義を行っていただきました。
SchooMyを活用してIoTを実践的に理解する
今回の授業で使うSchooMy(スクーミー)というのは、教育用マイコンボードをはじめとして、「つくってつかう。創造的課題解決型のプログラミング教育」を行うサービスであり、デジタルを通したモノづくり文化の発展を目指しています。

そしてこのSchooMyが提供する教育用マイコンボードが『スクーミーボード』です。(上の画像にある黄色い5cm四方くらいの機械)
スクーミーボードは単4電池1本で動く小型コンピュータ。
機能としては接続したセンサーを通じて周囲の気温などを測定することができ、たとえばエアコンの使いすぎや植物に水をあげるタイミングを知らせてくれるセンサーなどを簡単にプログラミングしてつくることができます。

上の画像をご覧ください。
なにやら色分けされたアイコンがたくさん並んでいますね。
これがPCからスクーミーボードに指示を出すプログラムを組むための操作画面です。
「コントロール」「アクション」と書かれたこれらのアイコンはプログラムに指示を出す際の項目を表したもので、視覚的にわかりやすくプログラムを組むことができるのが特徴です。
そのため、初めてインターフェースに触れる生徒たちでも扱うのは難しくありません。
今回の課題は、PCに接続したLEDライトを光らせてみようというものです。
さっそく取り組む生徒たち、レゴブロックを組み合わせるような感覚で、画面にプログラムを構築していきます。


難なく課題がクリアできたので、先生から今度は自分の好きな組み合わせで新しいプログラムを作ってみようという宿題が出ました。
最初に簡単なものを作ってみて楽しさを感じてもらえたなら、次のステップに行くことも容易です。
やり方によっては音声を出す仕組みや距離センサーをデバイスに組み込むことも可能なスクーミーボード。
きっと生徒たちの個性が光る作品が集まることでしょう。
情報空間と現実をつなぐ架け橋としてのIoT技術
授業を通して、プログラミングした内容が手元の物理デバイスにただちに反映されるのを目の当たりにし、仮想的なデジタル情報によって意図通りに目の前の"モノ"を動かす手ごたえを感じることができたのではないでしょうか。
まさにこの手ごたえこそが、現実世界を自らの手で変えられるという自己効力感に繋がるでしょう。
この効力感を、小さなものでも積み重ねることで、大きな目標を達成するための力が養われていきます。
「見て聴いて学ぶこと」と「学びを実践して現実を創造すること」の間の架け橋として、SchooMyを始めとしたIoT学習のツールはたいへん有効なものです。
学校教育の場において、このようなツールに触れる実践的な学習機会を提供することが、この「ふじらぼテックスクール」の意義でもあります。
今後ますます必要性が増してくるIoT技術。
若い世代のクリエイティビティが、テクノロジーの新たな活用方法を探る上で大事なものになるでしょう。
この授業をきっかけに、未来の発明家が生まれてくれることを期待しています。
藤村女子中学・高等学校ではさまざまな先進的な取り組みを展開されています。
同校の取り組みについては、公式のHPで詳しく知ることができます。以下のリンクよりご覧ください。
>>藤村女子中学・高等学校HP
一般社団法人学びラボについて
当法人は「創造の力でみんなを元気にする」をミッションに掲げ、子どもに向けてデジタルクリエイティブスキルやコミュニケーション力といった幅広い分野の教育を届ける活動を主軸とする組織です。
日頃よりオンライン・オフラインを問わず、現役クリエイターによる実践的な教育プログラムを展開しています。
また、社会を生き抜く力に主眼を置いた小中学生向けのオンラインの習い事「そらいろぱれっと」を運営し、未来を担う次世代の教育に力を注いでいます。
そして広く社会に向けても価値ある学びを提供する努力を私たちは惜しみません。各地のイベント会場やフリースクールといった場に赴き、地域社会の発展に資する魅力的な学習体験を提供しています。
主体的に愉しみ、学び、創造する。それがこの変化の激しい社会において、未来を切り拓くために大切なことであると信じて、私たちは今日も活動しています。
- 出展...令和元年版 情報通信白書 ↩︎