学びラボが藤村女子中学・高等学校と提携して行っているデジタル・クリエイティブプログラムですが、先日、高等学校の部において本年度の全4回の実施が終了しました。
高校1年生の生徒たちに向けて3DCGやプログラミングツールの実践により、創造的な課題解決の力を養うことを目指した本カリキュラム。
実施を終え、私たちも大いに手ごたえを感じる結果となりました。
手を動かして体感する3DCGの世界
第2回の授業からは3DモデリングツールのTinkercadを扱う内容です。
講師は初回と同じくあやこ先生にご担当いただきました。
中学校の授業でも扱っているTinkercad。
わかりやすいUI(ユーザーインターフェース)により初心者でも簡単に扱えて、なおかつ物理演算などの本格的な機能も備わっている点が魅力です。
このツールで画面上の立体を操作し、それぞれに工夫してデザインを施して、一つのオリジナル作品を制作するといったチャレンジを行いました。
ツール上の制作プロセスを通して現実への応用力を育む
第2~3回の授業を通じて、オブジェクトを組み合わせたり、ドミノを作って物理演算で倒してみたりと、Tinkercadでどのようなことできるかを体感的に理解してもらい、最後の回ではオリジナルのネームタグを制作しました。
各回ごとに内容がレベルアップする中、私たちの予想を超えてクオリティの高い作品を制作する生徒たち。
これまで3DCGに触れたことのない生徒が大半でしたが、本校では日ごろデジタルデバイスを用いた授業に親しんでいることもあり、問題なく取り組むことが出来ました。
また、それぞれがツールに向き合う様子からは、授業を単なるレクリエーション的なものとしてとらえるのではなく、自分のイメージをどうしたら実現できるかを考えながら、真剣に制作に取り組む喜びを体感していることが感じられました。
大事なことは主体的な学びのプロセス
初回の授業から生徒たちの様子を目の当たりにして実感できたことがあります。
それは、共通の課題を示された場合でも、生徒たちの解決へのアプローチの仕方は型通りではないということです。
それぞれが自分なりに工夫を試み、講師の説明を踏まえて自分なりのやり方を模索していることが伺えました。
ツールの機能自体が自由度が高いため、ひとつの結果を得るためにいろいろな方法を試すことができるのですが、実はこの試行錯誤の過程こそがクリエイティブ分野の学習過程において重要になってきます。
"教える"のではなく、"発見させる"こと
代表の梅原が日ごろ子どもたちに授業を行うにあたり、講師が守るべきこととして口にしている言葉があります。
それは、生徒たちには「教えるのではなく、自分自身で発見させなければいけない」ということです。
もちろん、講師が教えたとおりに手を動かせば難なく完成品ができ上がります。
しかしそのやり方で"説明"してしまうと、授業が終わった後にいざ自分の力で何かをつくろうとしてもできません。
わからないことを自力で時間をかけて調べたうえで得た知識でないものは、すぐにやり方を忘れてしまったり、うまく引っ張り出して使いこなせないためです。
いっぽう、すぐに正解を教わるのではなく、自ら手を動かしながら"発見"した知識は間違いなく身につきます。
なぜなら自分でやり方を懸命に考えて調べるプロセスを経て、ときには失敗もしながら得た知識は「できた!」や「苦労してようやくわかった」といった主体的な心の動きに紐づいているからです。
私たちが授業を通して生徒に身につけてほしい重要なことのひとつが、この「主体的な発見のプロセス」です。
このプロセスの積み重ねが、将来的に社会に出て課題を発見し、解決することに必ず役立ちます。
私たちはデジタル・クリエイティブプログラムにおいて多様なジャンルの授業を展開していますが、この核となる考え方は一貫しています。
今回のカリキュラムを通して、愉しみながら課題に取り組み解決する力を、生徒たちが自分の内に見出してもらえたなら嬉しく思います。
今後も本カリキュラムの成果を次に繋いでいけるよう、藤村女子中学・高等学校と手を結び、デジタル・クリエイティブ授業に取り組んでいきます。
※藤村女子中学・高等学校の取り組みについては、公式のHPで詳しく知ることができます。以下のリンクよりご覧ください。
>>藤村女子中学・高等学校HP
学びラボに所属する多彩なクリエイター講師
現在、学びラボには上掲のように多ジャンルにわたって活躍するクリエイター講師が15名以上在籍しており、デジタル・クリエイティブ教育をご提供できる人材が揃っております。
本記事でご紹介している藤村女子中学・高等学校での取り組みをはじめとした教育機関での授業運営の実績もございます。
ご興味をお持ちいただいた教育関係者の方、もしくは各地域の関係機関のご担当者様はぜひ弊団体の公式HPよりご連絡いただけますと幸いです。
▼一般社団法人学びラボ
公式HP: https://manabilab.or.jp/
また、弊団体では子ども向けオンラインスクール"そらいろぱれっと"を運営しています。
日ごろより子どもたちに社会を生き抜くうえで必要となる様々なデジタルスキルやリテラシー教育を展開しています。
こちらも併せてご覧いただければ、より私たちの活動をご理解いただけるかと思います。
▼そらいろぱれっと
https://manabilab.or.jp/sorairopalette/
それではお読みくださりありがとうございました。
ひきつづき藤村女子中学・高等学校での取り組みをご報告して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。