地域密着型の職業体験イベント『みらいのたからばこin大阪2024』が、2024年11月9日・10日にインテックス大阪で開催されました。
会場ではおもちゃづくりやカードゲームなどを通して楽しくお仕事体験ができるワークショップが盛りだくさん。
大盛況となった2日間の初日に私たち学びラボもステージイベントを担当させていただきました。
代表理事の梅原と副理事の"めぐ"の2名で、生成AIを使ってWebアプリやWebゲームを制作するワークショップを子どもたちに届けてきました。
文章で指示するだけでアプリを作れるツール、create.xyz
ワークショップでは、create.xyz というAIツールを活用して参加者に自分のアイデアをもとにWebアプリ・ゲームを作ってもらいました。
その方法は簡単で、「YouTubeのような動画配信サイトを作って」「ブロック崩しゲームをつくって」などと指示を出すだけ。わずか数秒で一つのアプリケーションが完成します。
小学生から大学生までが参加したこの30分間のワークショップで、迷路ゲームや鬼ごっこゲームなど次々と面白いアイデアが飛び出しました。
「どんなゲームを作りたい?」という問いかけに目を輝かせる参加者たち。中には『夢を叶えるための情報まとめサイト』という素敵なアイデアも。
ゲームの内容を考えることそのものが、難しいながらも楽しい作業のようでした。
実際にゲームがあっという間に作られるのを目の当たりにすると、これまで素晴らしいアイデアがあっても専門的な知識がなければ実現できなかったアプリ制作が、これほど簡単にできてしまうことにあらためて驚かされます。
とはいえ、指示の内容がシンプルであればあるほど、なかなか望みどおりに動くアプリが作れないこともわかりました。
子どもたちにとっても、「AIがなんでも完璧にこなしてくれるわけではなく、いかに適切な指示を出せるかが人間の腕の見せ所である」ということを実地で学ぶ良い機会となったようです。
会場は終始温かい雰囲気に包まれ、チャレンジする参加者への声援が飛び交いました。
まだまだ可能性が未知数な生成AIですが、参加した方々の様子からAIへの関心の強さが伝わってきました。
今回のワークショップの振り返りを経て、このような先進的なAIツールに触れる体験を多くの人に届ける機会をいただけたことに感謝しております。
また本イベントの主旨の一つに、各家庭の経済的な事情による子どもの体験格差を埋めるというものがありますが、その一助となることができたのであれば光栄です。
この体験に参加した子どもたちが、いつか私たち大人の誰も思いつかないような創造的なAIの使い方を思いついてくれたら、こんなに喜ばしいことはありません。
未来をつくる若い世代にそのきっかけを提供できたのであれば、それが何よりの収穫です。
学びラボが考えるAIとの望ましい関わり
学びラボは、「そらいろぱれっと」での教育活動を通じて、ゲームプログラミングや3DCG、3DCADなど幅広い分野で子どもたちの創造性を育んでいます。
実際に手を動かして作品をつくることを通して、生徒のデジタルクリエイティブスキルを向上させられるよう講師も力を注いでいます。
そして生成AIは、これらの活動において「つくる」ハードルを下げてくれる強力なツールです。
簡単に動かせて、なにかしらの制作物が自分の手で出来上がる達成感をすぐに得られるという点で、この上なく便利なものでしょう。
しかし、学びラボが最も重視しているのは、テクノロジーの先にある子どもたちの心です。「○○したい」「こうありたい」という願いや目標を持つことこそが、現代社会を生きる子どもたちの原動力になります。
私たちは単にツールの使い方を教えるのみでなく、そのツールやAIを使って何がしたいのか、心の奥にある願いに気づいてもらうことが何より大事だと考えます。
生成AIなどのツールをまず使ってみること、それをきっかけとして自分の中にワクワクする創造性を見出してほしいと願っています。
生成AIやその他のクリエイティブツールは、「誰かの願いを叶えるための道具」にすぎません。
学びラボは今後も、デジタルスキルの教育と「社会を豊かに生き抜く力」の育成を両輪として、子どもたちの可能性を広げる活動を続けてまいります。
すでに学びラボでは先にお伝えした"そらいろぱれっと"だけでなく、藤村女子中学・高等学校でのデジタル・クリエイティブプログラムなども実施しておりますが、今後これらの活動にもよりいっそう注力していくつもりです。
未来を担う若い世代の成長を全力でサポートしていきたいと思いますので、ぜひ今後とも学びラボの活動を応援いただけますと幸いです。
藤村女子中学・高等学校における学びラボの取り組みについては、弊団体のHPのお知らせ記事、または下記の学校HP等をご参照ください。
▶https://fujimura.ed.jp/junior-high-school/school-life/3ddesign/